レディシの
ソウル・シャワーを浴びた翌日は、メリーランド州ベセスダ(Bethesda)にある文化施設、ストラスモアに
インディア・アリーを観に行きました。イスラエルの人気シンガーソングライター、
イダン・ライヘルとのコラボ・プロジェクトで、「
Open Door」と題されたコンサートです。(この『Open Door』がアルバム・タイトルにもなるようです。)

↑ ご覧ください、この格調の高さ!音も良いです。
午後8時10分、コンサートが始まるなり、インディアは「
何が何だか分からないプロジェクトなのに、来てくれてありがとう」といった主旨のお礼を言い、会場を笑わせました。確かにこのプロジェクト、「Gift of Acceptance」のヴィデオは公開されているものの、アルバムはまだリリースされていないので、お客さんは何が何だか分からず来ていたはず。それでも、会場が
ほぼ満員(キャパは約2,000人)だったのは、インディアのライヴに対する
信頼・期待が高い証拠でしょう。
まずは飲み物で喉を潤し、柔軟体操して両手を高く上げながら、2階席にいる人々に手を振ると、「ワオ、たくさん人が入ってるわね!」と驚きながらも喜びの声を上げていたインディア。曲名を紹介してから歌い始めました。インディアを生で聴くのは初めての体験でしたが、
クリアなのにザラつきのある声が、ライヴではCDよりも光っていました。
1曲歌い終わると、インディアは「これ、
お母さんが作ったドレスなのよ!」と自慢気に話し始めました。白いヘッドラップに白いロングドレス。まさにインディアのイメージにピッタリな
木綿女子風の衣装です。ナチュラルっぽさを売りにするアーティストは他にもいますが、彼女ほど木綿の似合う女はいないでしょう。(
エリカ・バドゥは、
木綿っぽく見せかけつつも、実は超
ポリエステルっぽいしな。)

↑ 体もしなやかで、ヨガとアフリカン・ダンスを混ぜたような動きが美しかったです。
このコンサートで、彼女が観客に求めたのは「
3つの方法でコンサートを楽しむ」こと。「まずは
目で楽しんで。こうして実際にコンサートに来てるんだから。そして、
心で楽しんで。心を開いて聴いてほしい。それから
耳で楽しんで。音楽だけでなく、歌詞も聴いてね」と話していました。
どの曲も初めて聴くものながら、インディアのヴォーカルの魅力と、アコースティックな雰囲気の(←ガチでアコースティックかどうかは知らんが)サウンドが心地良く、美しい。日本だったら、
BUNKAMURA オーチャード・ホールにぴったりな音楽です(って、オーチャード・ホールって、まだあるのかな?)。インディアは曲によって、フルート、ギターを演奏したり、ハーモニカの男性(←エル課長ことエル・デバージに野性味を増したようなギラギラしたオジ様。
オールバック&スーツなのにカタギじゃない雰囲気がバリバリ)をステージに招いたりと、曲ごとに様々な変化をつけて、単調になりがちなステージに演出を加えていました。

↑ ギター、フルート、団扇等を自由自在に使いこなす吟遊詩人、インディア!
また、インディアは、ステージ上で
イダンとのコラボに至った経緯を詳細に語りました。2008年10月にイスラエル旅行をした際、テルアビブで「ポリティカル、リリカル、ミュージカルな若手アーティストは?」と地元の人々に質問すると、
誰もがイダンの名前を挙げたため、イダンに会いたいと希望を出したとのこと。こうして彼の自宅で初対面を果たすと、その才能に圧倒されたそうです。その後インディアは2009年にアルバム・リリース&ツアーしましたが、待遇等について様々な不満がたまり、2009年10月、しばらく1人で曲を書こうと、シアトル近くの海辺でソングライティングに励みます。するとその時、イダンがニューヨークに来ていることを知り、インディアはニューヨーク行きを決意。「
大勢の人たちが、口を出してくる。それが私の人生。でも、私の好きなように歌ってやろうと思ったの」と誓ったインディアは、イダンとの初対面時には「歌いたいけど、ヘブライ語の曲だから
無理ね」と諦めていた楽曲を音で覚え、ニューヨークで歌ったそうです。
インディアがこう語った後で、イダンも爽やか&腰の低い調子で、「僕側のストーリーも話さなくちゃ」と語り始めました。イダンは、「インディア・アリーが君に会いたいと言っている」と見知らぬ人から電話を受けた時、「はいはい」といった調子で
本気にしなかったそうです。「最初は怪しんで、家の2ブロック先の店で待ち合わせしたんだ。
住所を教えたくなかったから(笑)。でも、実際にインディアが来たから、「
ごめんなさい。君なら僕の自宅に大歓迎だよ」と謝り、家に招き入れたそう。
こうして2人がコラボのきっかけを話した後、インディアは
ヘブライ語の曲(英語タイトルはRiver Waters)を歌いました。もちろん私には何を言っているかさっぱり分かりませんが、歌詞が全く分からない分、逆に彼女の
節回し、彼女の
声の魅力そのものがガツンと心に響く感覚を味わうことができました。

↑ 爽やかな2人、音楽的な相性は抜群。このまま結婚して、
タック・アンド・パティの後でも継いでくれ!
2人のコラボ曲の他、インディアは自身のソロ作も披露。「Complicagted Melody」では、ギタリストのブルー・ミラーさん(気の良さそうな白人のおっさん)を紹介(「彼とは、デビュー・アルバムの前からずっと一緒にやってるの!」)、「Back To The Middle」でもミラーさんをフィーチャーしていました。また、「Brown Skin」はシタールっぽいサウンドが入り、
異国情緒溢れるアレンジに。大ヒットしたデビュー曲「Video」では、CDよりもテンポを速め、観客にマイクを向けて一緒に歌っていました。しかし、1番心に染みたのが、「Melody For You」という曲です。だって、歌う前に「
ソウルメイトが現れますようにっていうお祈りの歌」なんて言うから、
心がチクッと痛んじゃった……男性の目を気にせず、ありのまま、心のまま、風まかせで生きてると思ったら、インディアもソウルメイトを求めてるんだね……
2人のコラボ曲では、「
Gift of Acceptance」で鳥肌が立ちました。
中東風のサウンドも見事にはまっていた上、インディアが歌詞の内容を心から信じ、観客に伝えようとしているのが伝わってきたからです。

↑ くるくる回ったり、軽やかな足取りで、何気に運動神経の良さをアピール。
コンサート終盤では、「次回やる時には、大きなスクリーンに
字幕も載せるからね!」「来年また会いましょう!」と元気いっぱいに宣言していたインディア。アンコールでは、名バラード「
Ready For Love」をしっとりと歌い上げました。(ここでもミラーさんと一緒に曲を作った旨を説明。義理堅いです。)そして同曲の終盤、ステージに上がったのは……
お母様です!最後の最後、インディアは美味しいところを譲り、
お母様を立てていました。(お母様のウェブサイトまで宣伝していたし。)お母様を見つめる瞳から、
お母様を心から愛していることが伝わってきます。お母様、インディアと声質も似ているし、歌もなかなかでしたが、
若くて綺麗な人なので、「
ザ・女!」感がブリブリ伝わってきて、ここでも複雑な心境になっちゃった……もしかして、インディアに男ができないのは、
ママと仲良しすぎるせい? インディアに色気がない(
色気を出さない)のは、色気のあるママに遠慮しているの? 考えなくてもいいことが、頭の中をグルグル……
2時間15分たっぷり楽しめた素晴らしいコンサートだったのですが、最後にフェロモン系のお母様が出てきちゃったお蔭で、微妙に複雑な気分になってしまいましたわ……こうして、インディアちゃんの
女としての自立した幸せを願いながら、会場を後にした土曜日の夜でした。

↑ 私のフェロモン・レイダー、お母様をがっつりとらえちゃったんです……ドキドキッ。
セットリスト(コンサート時:約2時間15分)
1. The One
2. Brother Sister
3. Prayer For Humanity
4. ヘブライ語の歌(River Waters)
5. Get Up
6. Lines And Circles
7. Just Keep Singing
8. This Wind
9. Complicated Melody
10. Sixth Avenue
11. Brown Skin
12. Come Back To The Middle
13. Video
14. Melody For You
15. 16. 17. Idanの歌
18. ヘブライ語の歌
19. Gift Of Acceptance
20. You Are A Star
(アンコール)
21. Ready For Love